ブロック塀の工事の種類

古いブロック塀の点検(高さ・厚さ・控え壁・傾き)
工事を考える前に、今の塀が基準に合っているかを確かめます。2018年6月の大阪府北部地震で塀が倒れた被害を受けて、国土交通省は一般の住宅の塀も対象にした点検のチェックポイントをまとめ、福山市建築指導課も同じ項目を公開しています。
点検は、まず外から見て分かる5項目から始めます。塀の高さ、厚さ、控え壁の間隔と出幅、基礎があるか、傾きやひび割れがないかです。1つでも合わない所があるか、分からない所があれば、専門家に相談します。塀の中の鉄筋の有無や基礎の根入れは、目で見ても判断できません。そこは建築士か施工業者に調べてもらいます。各項目の数字は、下の「ブロック塀の基準(建築基準法施行令第62条の8)」にまとめています。
ブロック塀の撤去
古い塀を壊して取り除く工事です。塀が高く厚いほど壊す量と出るがらが増え、中の鉄筋が多い頑丈な塀ほど手間がかかります。重機が使えるかどうかでも、費用が変わります。
撤去したまま何も建てないと、敷地の境や道路との境が分からなくなります。撤去の後に何を置くか(何もしない、フェンス、生け垣、低い塀)は、撤去と同時に決めておくと工事が一度で済みます。
積み直し・やりかえ
古い塀を撤去して、基準に合った新しいブロック塀を積み直す工事です。新しく積むときは、基礎をつくり、縦と横に鉄筋を入れながらブロックを積みます。塀の長さに応じて控え壁も設けます。
同じ高さで積み直すと費用がかさむうえ、重さも元のままです。目隠しが要らない場所なら、次の「高さを下げてフェンスに替える」方法と比べてから決めましょう。隣地との境にある塀を積み直す場合は、費用の分け方を隣の方と先に話し合っておきます。
詳しくは境界ブロックをご覧ください。
高さを下げてフェンスに替える
古い塀の上の段を撤去し、下の数段を残して、その上にアルミなどの軽いフェンスを付ける方法です。民間の情報サイトでは、土留めの役目を残しながら費用を抑えられる方法として紹介されています。塀が軽くなり、見通しもよくなります。
残す段のブロックが基準を満たしているか、フェンスの柱を立てられる状態かを先に確かめます。フェンスメーカーの説明書にも、フェンス部分まで含めて塀全体を2.2m以内に収めるよう書かれた例があります。
化粧ブロック・塗り仕上げ
普通の灰色のブロックのほかに、表面に模様や色を付けた化粧ブロックや、風を通す透かしブロックがあります。化粧ブロックや透かしブロックは、普通のブロックより材料費が上がります。普通のブロックを積んで、表面をモルタルや塗り材で仕上げる方法もあります。
今ある塀の色あせや汚れには塗装という方法もありますが、見た目を整えて劣化を遅らせるための工事で、ひびや傾きといった構造の問題は直りません。
ひび・欠けの補修
ひびや欠けを放っておくと、そこから雨水が入り、中の鉄筋がさびて塀全体が弱くなります。幅0.3mm以下の細いひびはシーリング材などで埋め、幅0.3mm以上のひびは、溝を削ってから樹脂などを詰めるUカット・Vカットという方法で補修します。鉄筋が見えてさびている所は、さびを落として防錆の処理をしてからモルタルで埋め戻します。
補修で直せるのは表面の傷みまでです。塀が傾いている、控え壁がない、高さが基準を超えている、といった場合は、補修ではなく撤去ややりかえを考えます。

福山市で外構工事をご検討の方へ
- 駐車場・フェンス・ブロック塀など、工事の場所ごとにまとめて相談できます
- 現地を測って出る見積書で、工事の内容と税込の金額を確かめてから依頼を決められます
- 提携事業者の建設業許可は、番号を確かめられたものだけを本サイトに載せます
ブロック塀の基準(建築基準法施行令第62条の8)
補強コンクリートブロック造の塀には、建築基準法施行令第62条の8で次の決まりがあります。
高さ
2.2m以下壁の厚さ
15cm以上(高さ2m以下の塀は10cm以上)鉄筋
径9mm以上の鉄筋を、縦横とも80cm以下の間隔で入れる控え壁
長さ3.4m以下ごとに、鉄筋を入れた控え壁を設け、塀の高さの5分の1以上突き出させる基礎
基礎の丈は35cm以上、地面に入れる深さ(根入れ)は30cm以上
高さ1.2m以下の塀は、控え壁と基礎の決まりが適用されません。それ以外の決まりは、低い塀にもかかります。
使うブロックの強さはJIS A 5406で決まっていて、空洞ブロックは圧縮強さでA・B・C・Dの4つに分かれます。見積書には、ブロックの種類と厚さ、鉄筋の太さと間隔、控え壁の数を書いてもらいましょう。
福山市のブロック塀等の安全確保事業補助金
補助の対象になる塀
福山市は、避難路に面した倒れるおそれのあるブロック塀などの撤去や建替えに、費用の一部を補助しています(2026年10月4日時点)。対象になるのは、次の4つをすべて満たす塀です。
- 避難路(小学校が指定した通学路、または緊急輸送道路)に面している
- 点検のチェックポイントで安全を確かめられない
- 道路からの高さが0.8m以上ある
- 建築基準法の規定に違反していない
補助の額と上限
補助額は、撤去や建替えにかかった事業費の3分の2です。事業費は、塀の長さ1mあたり10万円を掛けた額までが対象です。補助の上限は、撤去が15万円、建替えが30万円です。建替えは、元の塀の位置と規模に合わせた軽いフェンスやブロック塀などを新しく設ける工事を指します。フェンス、門、土留めを撤去する費用は対象になりません。
申請の順番と工事をする業者
2026年度の案内では、工事の契約や着手を申請の手続きより前にすると対象外になります。また、2027年2月26日までに工事完了の報告ができることが条件です。受付は予算がなくなりしだい終わります。2026年10月4日時点で、建築指導課の一覧に受付終了の表示はありませんでした。
工事をする業者にも条件があります。撤去は建設業の許可か解体工事業の登録がある業者、建替えは建設業の許可がある業者です。許可の調べ方は、建設業許可と500万円未満の工事で説明しています。申請を考えている場合は、見積もりの段階で業者に補助金を使いたいと伝え、建築指導課に事前に相談してください。
なお、突然訪ねてきて塀の危険を言い立て、その場で契約を迫る業者には注意が必要です。困ったときの相談先は、トラブルの相談先にまとめています。
ブロック塀の撤去で出るがらと費用
がらは工事をした業者の産業廃棄物
塀を壊して出るコンクリートの破片(がら)は、廃棄物処理法の施行令で「がれき類」という産業廃棄物に当たります。建設工事で出る廃棄物は、注文した人から直接工事を請けた元請業者が、排出した事業者として処理する決まりです。がらの処分は工事の中で業者が行い、その費用は見積書に載ります。見積書では、処分費が撤去費に含まれているか、別の行になっているかを確かめてください。
ブロック塀の費用の目安
ブロック塀の工事について、民間の比較サイトや情報サイトが載せている全国の目安は次のとおりです。掲載元はいずれも税込か税抜かを明記していないため、最終的な金額は見積書の税込総額で見てください。
- 撤去・解体 1㎡あたり5,000〜15,000円(がらの処分費を含むのが一般的)
- 新しいブロック塀 1㎡あたり10,000〜25,000円とするサイトと、30,000円程度とするサイトがあります
- ブロック塀からフェンスへの交換 1mあたり15,000〜40,000円
- ひび割れなどの補修 1か所あたり10,000〜50,000円
- 鉄筋を足す補強 1か所あたり10万〜30万円
- 塗装 1㎡あたり2,500〜5,000円
たとえば高さ1.5m、長さ10mの塀は面積15㎡で、1㎡あたり1万円で撤去すると15万円が一つの目安になり、これに諸経費や運搬費が加わります。補助金を使う場合は、この事業費の3分の2で、上限の範囲内が補助されます。
