土留め・擁壁の種類と工法

土留めブロック(1〜3段)
庭と駐車場、敷地と道路の間に数十cmほどの段差がある場合に、コンクリートブロックを1〜3段積んで土を止める工事です。花壇の縁や、駐車場を広げたときに残る段差の処理によく使われます。
低い土留めでも、裏側の土は雨を含むと重くなり、ブロックを外へ押し出します。基礎をつくってブロックに鉄筋を通し、裏に砕石を入れて水が抜ける道をつくっておくのが基本です。
CB(コンクリートブロック)擁壁
空洞のあるコンクリートブロックを積み、中に鉄筋とモルタルを詰めて土を支える擁壁です。国土交通省の業種区分では、擁壁としてブロックを積む工事は「石工事」に当たり、塀のブロック積み(タイル・れんが・ブロック工事)とは扱いが分かれています。
ブロック塀の高さや厚さの基準(建築基準法施行令第62条の8)は塀のための決まりで、土を支える強さまでは示していません。見積もりでは、土を支える構造になっているかを確かめます。
詳しくはブロック塀をご覧ください。
型枠ブロック
中が大きく空いた専用のブロックを型枠代わりに積み、鉄筋を組んで生コンクリートを流し込む工法です。型枠ブロックには、垂直に積む施工について国土交通大臣の認可を受けた製品があり、業界団体は、鉄筋を配置しやすくコンクリートを確実に充填できる形だと説明しています。
仕上がりはブロック積みに見えますが、中身は鉄筋コンクリートの壁になります。製造会社の資料では、大臣認定の擁壁として扱うには、認定された標準断面と専用ブロックを使い、施工後に要件の確認を受けることが条件とされています。見積もりでは、使う製品名と擁壁の高さを確かめます。
L型擁壁(プレキャスト)
工場でつくったL字形の鉄筋コンクリート製品を、現場で据えて並べる擁壁です。民間の比較サイトでは、完成品を現場で組み上げる「プレキャスト」の擁壁として紹介されています。
重い製品を吊って据えるため、クレーンなどの重機が敷地の近くまで入れるかどうかが条件になります。
古い擁壁・石積みの点検(ひび・はらみ・水抜き穴)
国土交通省は、住んでいる人が自分で擁壁の危険度をおおまかに確かめられる「我が家の擁壁チェックシート(案)」を公開しています。見るのは、水抜き穴、水のしみ出し、排水溝の状態と、ひび、前へのずれ、目地の開き、角の開き、ふくらみ(はらみ)、傾きです。
同じ資料は、空石積み、増し積み、2段擁壁、張出し床版付きの擁壁を、本来は宅地の擁壁に適さない形式としています。これに当たる場合は、今は変状がなくても専門家に相談するよう勧めています。高さ1m以下の擁壁は、このチェックの対象外です。
擁壁の補修
ひびをふさぐ、詰まった水抜き穴を掃除する、排水溝を直す、といった補修です。民間の比較サイトでは、擁壁の補修・メンテナンスは1㎡あたり1万〜2万円ほどとされています(税込・税抜の記載なし)。
補修で済むのは、擁壁そのものの形式に問題がなく、傷みが表面にとどまっている場合です。ふくらみや傾きが進んでいるなら、作り直しも含めて考えます。作り直しの費用は、新しく擁壁をつくる場合とほぼ同じになると、同じサイトは説明しています。

福山市で外構工事をご検討の方へ
- 駐車場・フェンス・ブロック塀など、工事の場所ごとにまとめて相談できます
- 現地を測って出る見積書で、工事の内容と税込の金額を確かめてから依頼を決められます
- 提携事業者の建設業許可は、番号を確かめられたものだけを本サイトに載せます
擁壁が2mを超える場合の確認申請と盛土規制法
建築基準法の工作物としての擁壁
建築基準法施行令第138条は、高さが2mを超える擁壁を、建築物と同じように確認申請などの規定がかかる「工作物」に指定しています。建築基準法第88条によって、これらの工作物には建築確認の規定が準用されます。
申請する擁壁は、施行令第142条の技術基準に合う必要があります。鉄筋コンクリート造や石造など腐食しない材料でつくること、裏面の排水のために水抜き穴を設けてまわりに砂利を詰めること、国土交通大臣の定める基準による構造計算で安全を確かめることが求められます。
福山市の盛土規制法の区域と手続き
福山市は、宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)にもとづき、2024年4月1日に規制区域を指定しました。市の手引きによると、宅地造成等工事規制区域は43,804ha、特定盛土等規制区域は7,972haです。規制区域内の造成は、目的にかかわらず許可の対象になります。
- 宅地造成等工事規制区域で許可が要る主な工事 盛土で高さ1mを超える崖ができるもの、切土で高さ2mを超える崖ができるもの、高さ2mを超える盛土、面積が500㎡を超える盛土・切土など
- 既存擁壁の築造替え 規制の対象にならない場合もありますが、計画をもって事前相談書を出し、許可の要否を確かめるよう市は求めています
- 擁壁の撤去 規制区域内で高さ2mを超える擁壁を壊す工事は、着手の14日前までに届出が必要です
- 設計者の資格 高さ5mを超える擁壁は、資格を持つ者が設計しなければなりません
窓口は福山市の農林整備課(盛土対策担当)です。区域は市のホームページと「ふくやまっぷ」で公表されています(2026年10月4日時点)。
擁壁の水抜き穴と排水
擁壁の傷みに大きく関わるのが、裏側の土にたまる水です。施行令第142条が水抜き穴と裏の砂利を求めているのは、擁壁の裏面の排水を良くするためです。
国土交通省のチェックシートは、水抜き穴が3㎡に1か所以上、内径75mm以上あることを、排水が保たれているかの目安にしています。穴に土や草が詰まっていないか、大雨の後に穴から水が出ているかを、ときどき見ておきましょう。福山で記録された大雨の量は、トップページの「台風・大雨への備え」で紹介しています。
土留め・擁壁で外構の業者に頼める範囲と専門家が要る範囲
外構の業者が受けることが多い範囲
高さ2m以下の土留めブロック、型枠ブロック、L型擁壁の据え付け、水抜き穴の清掃やひびの補修設計と申請が要る範囲
高さ2mを超える擁壁の確認申請と構造計算、盛土規制法の許可申請、高さ5mを超える擁壁の設計診断が要る範囲
空石積みや2段擁壁など、形式そのものに不安がある古い擁壁
建設業許可の業種では、擁壁としてのブロック積みは「石工事」に当たります。どの金額から許可が必要になるかは、トップページの建設業許可の説明にまとめました。
